マント事件
佐野文夫と菊池寛の確執


新刊出版のお知らせ
菊池寛はなぜかくも佐野文夫を誹謗するのか?
小説「青木の出京」とマント事件から考察する。
1,「青木の出京」
主人公雄吉が寄宿先の主人からかけられた小切手の盗難事件
(1)当小切手は持参人払小切手である。
持参人は小切手の裏に持参人自身の名前を裏書きすることによって
現金を受け取ることができる。「青木の出京」では主人公雄吉が寄宿先
の主人(法人かもしれない)の振り出した小切手を銀行に持って行って
現金化したという話になっている。しかしそのほうな小切手に関する実務
あり得ない。
その理由を下記にあげる。
実務的な矛盾
① 同小切手に裏書きしたのは小切手持参人広井雄吉であるが、現金化
された切手の現物が振出人に戻ることはありえない。従って主人が
「どうだ、それに覚えがあるから」と言って小切手を雄吉に見せること
は不可能である。
② 額面100円。今の価値からすると100万円から150万円の
金額を旧制高校の学生が換金に来てもそのような大金を銀行が簡単に渡す
とは考えられない
③ 宛先が書かれていない高額の小切手が金庫にしまってあることは考え難い。
物語の不可解さ
小切手を盗んで現金化するプロセスもあり得ない話だが、その後の話も
理解しがたい。
寄宿先の主人は100円の損害を受けているが、その実害の弁済を
広井に要求していない。実はその小切手は換金できなかったとしても、
青木はその弁済を約束して、広井はその履行を督促している。
広井は何の金銭を佐野に要求しているのか不明だ。
菊池寛の「青木の出京」はこのように現実社会では起きるわけがないこと
を小説にしている。小説を書くことは自由だとしも、あり得ないことをテー
して、それは佐野文夫がしでかした事件だとすると、そのようなことは
論理的にあり得ないと証明すればその事件は成立しえないものとなる。
いや、それはマント事件を置き換えて書いたものだからは現実からは乖
離しているのだ、という主張もあるかもしれない。するとマント事件も
もしかして現実離れした話かもしれないという説も浮上しても不思議では
ない。
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Archives - 出版
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そもそも「老人と海」の題名で既に翻訳されているThe Old Man and the SeaはThe Snows of Kilimanjaroの完成版と私が位置付けていた名作です。「キリマンジャロの雪」の舞台である東アフリカのタンザニアを中米のキューバに移し替えて、陸上動物を海洋動物に置き換えて、妻ヘレンを青年マーノリンに差し替えると、ヘミングウェイの分身、中年ハンターのハリーが老いた漁師サンチャゴに変身するのです。そしてキリマンジャロからコヒマル港までの十八年の年月はヘミングウェイの文章をさらに研ぎ澄まし、さらに簡素にして美しい文体として完成させたのです。 「日本ではヘミングウェイ がきちんと訳されていない。アメリカンイングリッシュのスラングやヘミングウェイの掛詞、洒落を訳しきれないのは仕方がないかもしれないが、まわり舞台が逆転してしまうような誤訳は直しておかなければなりませんよ。アメリカンフットボールやベースボールを理解して。たまには教会に行かなければヘミングウェイは翻訳できません。そもそもThe Old Manが乗っているSkiff(小舟)は公園のボートではありません」前を向いて立って漕ぎます。
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